最近は社員が副業をしているケースが多くなってきています。なかには積極的に副業を推進している企業もでてきています。(参照)当法人の相談事項でも副業に関することが多くなってきています。以下、注意すべき点を記載していきます。
1,会社が認めているか(就業規則への記載があるか)
まずはこれが重要です。通常は会社は社員に職務専念義務を求めるものなので、勝手に副業を行うことはNGです。とくに夜職を行ってパフォーマンスが落ちることはもってのほかです。副業を解禁する場合、会社としてその目的を明確にするとともに、ルールもしっかりつくるべきです。上記リンクのサイボウズでは「働き方の多様化へのチャレンジ」という枠組みで制度を作っています。
2,労災保険は?
労災保険は加入要件として人を指定することはないので、特別に何かする必要はありません。ただし注意すべきは、いわゆる形だけの業務委託(偽装請負)にしないことです。労災事故の時に補償されないリスクが出ます。
3,雇用保険の加入は?
雇用保険の加入要件は週20時間以上勤務していることで(この時間の要件は変更予定です)、一つの事業所での加入となります。2つの事業所に15時間づつ働いていた場合、本人は週30時間で適用要件は満たすようにみえますが、一つの事業所で週20時間以上働いてないので加入することはできません。例外として65歳以上の場合には特例で合算できます。また同じような2つの事業所で同じような勤務時間で適用する要件を満たしている場合、
主な収入源としている事業所で加入します。 労働時間の基準は会社と約束している所定労働時間となります。
副業をしている社員が雇用保険に加入するかどうかは、当該事業所で週20時間以上の雇用契約になっているかが判断基準となります。この辺はかなり複雑なので、微妙な場合には専門家に聞かれることが一番です。
4,社会保険の加入は?
社会保険は雇用保険とは違い社会保険適用事業所で働く場合、要件が適用される場合には複数の事業所の収入を合算することになります。ただしそれぞれの事業所で適用要件が満たされていることが必要です。この場合には「2以上事業所勤務者」といいます。
社会保険の適用要件は、現在(26年3月)は被保険者50人以下の会社では労働時間が週30時間以上、被保険者51以上の会社では週20時間以上です。50人以下の企業では週30時間以上が適用要件なので、2つの事業所でそれぞれ30時間以上を働くことはほぼないでしょうから、合算することはないでしょう。51人以上の企業で働く場合には、それぞれが週20時間の勤務の場合2以上事業所勤務者となり双方の給与額を合算する必要があります。
法定労働時間は週40時間なので、一般社員の2以上事業所勤務者はほとんどないでしょうが、代表取締役がかかわると話が違ってきます。代表取締役の場合労働時間という概念がないので、報酬を得ている限りはフルタイムと解されます。つまり、複数の事業所で代表取締役になっていれば必然と2以上事業所勤務者となります。その場合2以上事業所勤務者として登録することになります。これはかなり面倒です。
以上複雑な話となりましたが、詳しくは日本年金機構のサイトを参考にしてください。参照
5,労働時間(残業)の算定は?
これはかなり複雑です。法定労働時間は1日8時間、1週40時間ですが(変形労働時間制を除く)、副業を行っている場合は複数の働いている時間を通算することになります。労働時間は先に契約をした企業から行っていくわけですが、各々の労働契約と時間外労働のあり様で計算が変わっていきます。副業先の会社と緊密に連絡をとらないとできませんが、副業をする場合、会社同士や当事者等でさまざまな思惑があるでしょうから、完璧に行うことはほぼ不可能でしょう。ただし、勤怠情報等最低限の情報共有の取り決めは必須です。
下記が厚生労働省の案内の一部でこのレベルであれば簡単ですが、1日のなかでの時間外労働の配分や週40時間超えの把握、時間外労働の上限の把握、36協定の記載等、かなり複雑になります。詳しくはこちらを参考にしてください。参照