就業規則がない横浜市中区の企業は要注意|放置するリスクと社労士に相談すべきタイミング


【この記事の結論:一番にお伝えしたいこと】

就業規則は、常時10人以上の従業員を雇用する事業場では法律上の作成・届出義務があり、怠ると罰則や是正勧告の対象になります。

また、就業規則がない・実態と合っていない場合、未払い残業代の請求や問題社員への対応で会社が不利になるだけでなく、多くの助成金が受給できなくなるリスクもあります。

横浜市中区・関内エリアで複数店舗展開や外国籍社員の雇用を進める企業様は特に、自社の実態に合った就業規則の整備が急務です。

本記事では、就業規則を放置するリスクと、見直しの進め方を横浜の社労士が解説します。

就業規則がない横浜市中区の企業が直面する法的リスク

就業規則は単なる社内ルールではなく、一定規模以上の事業場では法律で作成・届出が義務付けられています。

まずは、法律上どのような義務があり、違反した場合にどのようなペナルティがあるのかを整理します。

常時10人以上の事業場は作成・届出が労働基準法上の義務

労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する事業場に対し、就業規則の作成と所轄労働基準監督署への届出を義務付けています。

ここでいう「10人」には、パートタイマーやアルバイトなど雇用形態を問わず、継続的に雇用している人数がすべて含まれます。

横浜市中区・関内エリアで複数の店舗や事業所を運営している企業様の場合、本社だけでなく事業所ごとの人数もあわせて確認する必要があります。

違反時に科される罰則と労働基準監督署による是正勧告

作成義務があるにもかかわらず就業規則を整備していない場合、労働基準法違反として30万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

しかし、実務上より大きな影響を及ぼすのは、罰金そのものよりも労働基準監督署による調査・是正勧告への対応です。

調査が入った際に就業規則が未整備・不備があると、是正勧告を受けたうえで、限られた期限内に規程を整備しなければならず、経営者・人事担当者の負担は決して小さくありません。

労働基準監督署の調査対応そのものについて詳しく知りたい方はこちら:
「横浜エリアの企業を守る労務管理:労働基準監督署の調査対策と社労士の役割」

10人未満の事業場でも作成をすすめる理由

常時10人未満の事業場には作成義務はありませんが、これは「作らなくてよい」という意味ではありません。

従業員数が少ない会社ほど、経営者と従業員の口約束や慣習で運用されがちですが、その分トラブル発生時の判断基準があいまいになりやすい傾向があります。

義務の有無にかかわらず、将来の人材採用や労務トラブルへの備えとして、早い段階での整備をおすすめしています。

就業規則がない・古いままだと起こりやすい労務トラブル

就業規則の不備は、実際に労務トラブルが発生した際に会社側の主張の根拠を失わせる大きな要因になります。

ここでは、特に相談の多い3つのトラブルパターンをご紹介します。

未払い残業代を請求された際に会社を守れない

残業代の計算方法や固定残業代の取り扱いが就業規則・賃金規程に明記されていない場合、従業員から未払い残業代を請求された際に会社側の主張が通りにくくなります。

参考事例として、口頭で「残業代は基本給に含まれている」と説明していたものの、就業規則にその旨の記載がなかったために、退職後の従業員から過去数年分の未払い残業代を請求されたケースが挙げられます。

 

このようなケースでは、会社側が想定していた運用が法的に無効と判断され、結果として高額な支払いが必要になることもあります。

就業規則に明確な規定があれば、こうした主張の食い違いをあらかじめ防ぐことができます。

問題社員への懲戒処分・解雇が「不当」とされるリスク

無断欠勤を繰り返す、業務命令に従わないといった問題社員への対応を検討する場面でも、就業規則の有無が大きく影響します。

懲戒処分や解雇は、就業規則に明確な根拠規定がなければ、法的に「不当な処分」とみなされるリスクが高まります。

特に解雇は労働者側の権利保護が強く働く分野であるため、規定の不備がそのまま会社側の敗訴につながることも珍しくありません。

固定残業代制度が無効と判断されるケース

固定残業代(みなし残業代)制度を導入している企業も多くありますが、対象となる時間数や計算方法、超過分の取り扱いが就業規則・賃金規程に明記されていない場合、制度自体が無効と判断される可能性があります。

その場合、これまで固定残業代として支払っていた金額が基本給とみなされ、あらためて残業代全額の支払いを求められることもあります。

就業規則の未整備は助成金の受給にも影響する

就業規則の整備状況は、労務トラブルへの備えだけでなく、企業が活用できる助成金の受給可否にも直結します。

横浜市中区の企業様からも助成金に関するご相談を多くいただきますが、その前提として就業規則の状態を確認することが欠かせません。

多くの助成金は就業規則の整備・届出が受給要件

キャリアアップ助成金をはじめとする雇用関係助成金の多くは、申請の前提として就業規則(賃金規程を含む)の作成・届出が求められます。

制度導入の内容を規定に明記していなければ、そもそも申請要件を満たさないケースもあります。

内容が実態と合っていないと不支給・返還のリスクも

就業規則が「あるだけ」で、実際の労務管理の実態と食い違っている場合も注意が必要です。

助成金は申請時だけでなく、支給後の調査で実態との不一致が発覚すると、不支給や過去に受給した助成金の返還を求められることがあります。

以下に、就業規則の状態別に助成金申請への影響を簡単に整理しました。

就業規則の状態 助成金申請への影響
未作成・未届出 多くの助成金でそもそも申請要件を満たさない
作成済みだが実態と不一致 調査時に不支給・返還を求められるリスクがある
実態に即して整備済み 申請要件を満たしやすく、審査もスムーズに進みやすい

横浜市中区・関内エリアの企業に特有の注意点

横浜市中区・関内エリアでは、複数店舗を展開する企業や外国籍社員を雇用する企業からのご相談が多く寄せられています。

こうした企業には、一般的な就業規則の整備に加えて特有の注意点があります。

複数店舗・複数事業所を展開する際の就業規則の扱い方

複数の店舗・事業所を展開している場合、就業規則は本社で一括届出できるケースと、事業所ごとに届出が必要なケースがあります。

また、店舗によってシフト制と固定時間制が混在している、パート・アルバイトの比率が異なるといった実態がある場合、同一の規則をそのまま適用すると運用と条文がずれてしまうことがあります。

 

特に36協定(時間外労働・休日労働に関する協定)は事業所ごとに締結・届出が必要となるため、店舗展開のタイミングで漏れが生じやすい点にも注意が必要です。

外国籍社員・多様な雇用形態が混在する職場での整備ポイント

外国籍社員を雇用する場合、在留資格に応じた就労可能な業務内容の範囲や、労働条件通知書の多言語対応など、通常の就業規則整備に加えて確認すべき事項が増えます。

正社員・契約社員・パートなど雇用形態が多様な職場では、同一労働同一賃金への対応状況もあわせて点検することをおすすめします。

外国籍社員の雇用に伴う労務管理・社会保険手続きについてより詳しく知りたい方はこちら:
「横浜の企業必見!外国籍社員を雇用する際の労務管理・社会保険手続き完全ガイド」

就業規則を整備・見直しする際に確認すべきポイント

就業規則の整備・見直しを進める際は、いくつか確認しておきたい共通のポイントがあります。

自社での対応を検討している場合も、まずは現状を整理することから始めましょう。

現状の運用実態と条文にズレがないかの棚卸し

就業規則の見直しでまず行うべきは、現状の運用実態と条文の内容にズレがないかの棚卸しです。

例えば、シフト制の従業員がいるのに固定時間制の条文のままになっている、育児・介護休業の運用が法改正後の内容に更新されていないといったケースがよく見られます。

同一労働同一賃金・時間外労働の上限規制など法改正への対応状況

就業規則は一度作成して終わりではなく、法改正のたびに見直しが必要です。

特に同一労働同一賃金や時間外労働の上限規制など、近年の法改正への対応が漏れていないかを確認することが重要です。

インターネット上の雛形をそのまま使うことのリスク

費用や手間を抑えるために、インターネット上で公開されている雛形をそのまま利用するケースも見受けられます。

厚生労働省のモデル就業規則などは参考にはなりますが、あくまで一般的な内容であり、自社特有の勤務体系や手当・休日の定めが反映されていません。

以下に、雛形をそのまま使う場合と、自社の実態に合わせて整備する場合の違いをまとめました。

雛形をそのまま使う場合 実態に合わせて整備する場合
自社の勤務体系との整合性 合わないことが多い 実態に即して設計できる
助成金申請への活用 要件を満たさない場合がある 要件を満たしやすい
労務トラブル発生時の有効性 根拠として弱いことがある 会社を守る根拠になりやすい

就業規則の整備は社労士への相談がおすすめな理由

就業規則の整備・見直しは自社で対応することも可能ですが、専門家に相談することで得られるメリットも大きい分野です。

最後に、社労士に相談するメリットを2点ご紹介します。

自社の実態に合わせ法的整合性を持たせた設計ができる

社労士に依頼することで、自社の勤務体系や雇用形態の実態を踏まえたうえで、法的な整合性を持たせた就業規則を設計できます。

助成金の受給要件や最新の法改正への対応も含めて確認しながら整備を進められる点も、専門家に依頼する大きなメリットです。

整備後の運用サポート・労基署対応まで一貫して依頼できる

就業規則は作成して終わりではなく、その後の運用や見直しが重要です。

顧問契約を通じて社労士に継続的に relied できる体制を整えておけば、労働基準監督署の調査が入った際の対応や、従業員とのトラブル発生時の相談まで一貫してサポートを受けられます。

就業規則の整備に関するよくある質問(Q&A)

Q. 従業員が10人未満の会社でも、就業規則は作った方がいいですか?

A. はい、作成をおすすめします。労働基準法上の作成義務は常時10人以上の事業場に生じますが、10人未満でも労務トラブルの予防や助成金の活用、人材採用の観点から、早い段階で整備しておくことが望ましいです。

Q. 就業規則の見直しには、どのくらいの期間がかかりますか?

A. 現状のヒアリングから条文の整備、労働基準監督署への届出まで、内容や規模にもよりますが1〜3か月程度が目安です。複数店舗を展開している場合や、労使協定とあわせて見直す場合は、さらに期間を要することもあります。

Q. すでに就業規則はありますが、古いままです。作り直す必要がありますか?

A. 内容が現在の運用や最新の法改正に対応していない場合は、見直しをおすすめします。特に同一労働同一賃金や時間外労働の上限規制など、近年の法改正に対応できていない就業規則は、いざという時に会社を守る根拠として機能しない可能性があります。

就業規則整備なら横浜市中区のリアライズ社労士法人にお任せください

当法人は横浜市中区・関内エリアを拠点に、就業規則の作成・見直しから助成金申請、労務トラブル対応まで一貫してサポートしております。

設立30年の実績と、クラウド給与計算・電子明細などITを活用した労務対応を強みに、複数店舗展開や外国籍社員の雇用にも柔軟に対応いたします。

「うちの就業規則は大丈夫だろうか」と感じた際は、まずはお気軽にご相談ください。