<事案>
サービス業(T社、80人)では、うつ病で休職中の従業員が復職可能との主治医の診断書を持ってきて、復職を迫った。ただし、総務の責任者が話をする限り、通常の業務ができそうにはない。
<ポイント>
療養中の従業員が治癒して復職できれば、こんなハッピーなことはありません。しかし、特に精神性疾患の場合、復職後のトラブルが後をたちません。
☆ 復職可否の判定
復職ができるかどうかは、主治医の判断で決める必要がありません(一番正解に近いとは思われますが)。とくにうつ病の場合判断がしにくく、患者の要望に沿った内容になるケースもあるようです。復職の判断基準(会社指定の医師の診断をもとに会社が決める)等を記述しておく必要はあります。
☆ 復職の条件
基本的には休職前の職務に就くことを条件にすべきです。中小企業の場合、他の業務を与えることが不可能な場合がほとんどです。
<事案>
入社8ヶ月の従業員が病気(脳梗塞)で仕事ができなくなってしまった。当分復帰できそうにないばかりか、場合によっては通常の社会復帰も難しいかもしれない。代換要員も考えなければならず、どうしたら良いか。
<ポイント>
私傷病であれば本人に帰すべき事由で解雇することもできますが、通常は休職規程があると思いますので、その規程によります。本人の立場にたてばたいへんなことですが、会社としてもボランティア団体ではないので、それなりの対応は必要です。休職規程のポイントとしては、
・期間
・給与
・断続的な休職の場合の通算規定
・復職
等です。以下それぞれの留意点を記入します。
1、期間
通常は勤続年数によって期間を変えます。入社まもなく休職になってしまい、例えば2年もの休職期間になってしまったら、会社としては大変です。特に入社から半年くらいは短めに設定しておくほうが安全でしょう。
2、給与
私傷病による休職の場合、健康保険から給与のほぼ2/3の傷病手当金が出ますので、給与は出さなくても良いと思います。逆に給与を出すと、傷病手当金がカットされてしまいます。
3、断続的な休職の場合の通算規定
同じ病気での休職の通算規程を設けておかないと、病気の人をいつまでも在籍させてしまうことにもなりかねません。特に精神疾患の方に多い現象となります。同じ病気で休職を繰り返す場合、そろぞれの期間を通算する規程は必須です。
4、復職
復職も大事な項目です。病気が治り、以前の職に就くことを復職の条件にすべきです。法律上多少問題がなきにしもあらずですが、少なくても規則上は必要な条件です。